January 14, 2009

バロン・タガログ今昔

今でこそバロン・タガログといえばフィリピンの礼装用のシャツということなっていますが、その昔は庶民が着る服。というよりも、ざっくばらんに言うとスペイン統治下での被支配者階級の服・農民の服(写真下)。

This Filipino tradition(=Barong Tagalog) dates back to the Spanish colonial era. A legend persists that the Spaniards made Filipinos wear barongs untucked to distinguish them from the ruling class, its translucent fabric helping the Spaniards to see that the wearer was not bearing any weapon under the garment.
Barong Tagalog - Wikipedia

正装・礼装用という位置づけがなされたのはマグサイサイ大統領(在職1953-57年)が大統領就任式でこれを着用したのがきっかけだったそうです。その後もマ大統領はマラカニアンでたびたびこれを着て執務をとったそうですから、当時のフィリピン国民にとっては大統領がバロン・タガログを着るとは「クールビズ」以上の衝撃だったかもしれませんね。

今朝のNHKニュース「おはよう日本」は、フィリピン・パナイ島のピーニャの話題。ピーニャとはパイナップルの葉から取り出される繊維で、以前はほとんどのバロン・タガログがこのピーニャから作られていたそうです。しかし戦後、アメリカ製の化学繊維が入ってくると、手間も隙もかかるピーニャのバロン・タガログづくりは一気に衰退。しかしその衰退に待ったをかけようとパナイ島の40代の女性が「孤軍奮闘」してピーニャでつくるバロン・タガログの技術を後世に残そう、という話題でした。確かニュースではこの女性は工場(といってもニッパの小屋)で20人くらいの女の子を雇っていると言ってました。現在、ショッピング・モールでピーニャでつくられたバロン・タガログは、化繊製品に比べて相当高値(=高級品)がついていますが、それにはこういう背景があるんですね。

バロン・タガログというとつい沖縄のかりゆしウェアやハワイのアロハ・シャツを連想してしまいます。ただかりゆしやアロハはデザインが豊富でフォーマルからカジュアルまで幅広く愛用されているのに比べ、バロン・タガログは結婚式やセレモニーなど用途が限られていますね。バロン・タガログもかつては農民の服。正装・礼装用と言わずもうすこしカジュアルな場面、例えばリゾート・ウェアみたいな感じで着れるようなればいいんと思いますが、ただ最近は、フォーマル一辺倒ではなくいろいろな種類のバロン・タガログが出てきているようです。

ちなみにバロン・タガログ(baro ng Tagalog)とはbaroとは英語でdressだそうでdress of the Tagalog=タガログ族の服の意。

20090114←こちらが元祖バロン・タガログ。日本でもかつては着流しで気軽に町を歩けたものですが、今や着流しを着た人を見ると「なにを改まって・・・」とかえってこちらが堅苦しい思いをします。フィリピノにとってのバロン・タガログも似たようなものかもしれませんね。


Posted by philer at 17:00│Comments(2)この記事をクリップ!
この記事へのコメント
5
私は奥さんがフイリピン人で日本に於いてキリスト教の教会コーデネーターとして活動しています関係上、私も教会へ行きます。その時はバロンタガログを着用しています
Posted by takeon31 at June 11, 2009 17:18
takeon31さん、こんにちは。
そうでした、バロン・タガログが一番似合うシチュエーションといえば、やはり教会でした!最近はバロン・タガログも豊富なデザインが揃っているようですが、やはりクラシック&オーソドックスが一番でしょうか。
Posted by philer at June 11, 2009 17:55

コメントする

名前
URL
 
  絵文字